🧠 脳や心臓の病気予防にも?
香醋(こうず)の知られざるチカラ
「香醋(こうず)」を毎日の食事に使っている方も多いかもしれません。
中国の伝統的な黒酢「鎮江香醋(ちんこうこうず)」は、深みのあるコクと香ばしさが特徴で、
- ぎょうざや酢豚のタレに
- 肉まんや小籠包にそのまま
- ドレッシングとしてごま油と合わせて
と、我が家でも大活躍です。
でも実は――香醋は「美味しい」だけじゃありません。
体の内側から健康を支えるチカラも秘めていることが、最近の研究で明らかになってきたのです。
🧪 注目の天然成分「5H4PB」
そのカギとなる成分の名前は:
5-hydroxy-4-phenyl-butenolide
日本語では「5-ヒドロキシ4-フェニルブテノリド」
(略して5H4PB)
ちょっと難しい名前ですが、簡単にいうと――
香醋に自然に含まれている、植物由来の天然化合物です。
(日本の黒酢にも5H4PBがふくまれています)
神戸大学と岡山大学の研究チームは、この5に
酸化ストレスを軽減する「抗酸化作用」があることを突き止めました。
※日本の黒酢にも5H4PBが含まれているとわかっています。
🌱 酸化ストレスってなに?
酸化ストレスとは、体の中で「サビ」が起こるような状態。
これが進むと、細胞がダメージを受けやすくなり、以下のような疾患リスクが高まります:
- アルツハイマー病
- 脳梗塞
- 心臓血管疾患
- 老化による体の衰え
この5H4PBは、その“サビ”を防ぐ抗酸化作用を持っているのです。
🔬 さらに今回の研究でわかったこと
神戸大学・岡山大学・国立遺伝学研究所の研究チームは、
この5H4PBが「糖鎖(とうさ)」という細胞表面の構造に働きかけることも発見しました。
🧬 糖鎖とは?
糖鎖とは、細胞表面にある“情報アンテナ”のようなもの。
外からの刺激や老化のサインをキャッチし、体の調整を助けます。
📌 研究のポイント
- 5H4PBを細胞に与えると、糖鎖の構造の一部「コアフコース」が増加
- これが、酸化ストレスに対する細胞の“防御力アップ”と関係していた
つまり、香醋の成分が細胞の“健康スイッチ”を押してくれる可能性があるのです。
🧠 なぜ今、注目されているの?
上記のような酸化ストレスは、現代人に多い疾患のリスク要因。
予防が難しい病気も、“細胞レベル”から守ることができたら――
そんな想いから、この研究は今とても注目されています。
研究チームについて
所属機関 | 研究者名 |
---|---|
岡山大学 学術研究院 | 佐藤あやの 准教授 |
神戸大学 科学技術イノベーション研究科 | 辻野義雄 教授 |
国立遺伝学研究所 | 坂本美佳 研究員 他 |
📖 論文掲載:PLOS ONE(2023年2月)
→ 論文を読む(英語)
☕ まとめ:「美味しい」の奥にあるサポート力
香醋って、ただの“おいしい調味料”だと思っていたけれど――
実はその一滴が、細胞の奥で健康を支えてくれていたのかもしれません。
お料理も美味しくなる。体にもいい。
香醋は、そんな“続けたくなる健康習慣”かもしれません。
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