WBGT(暑さ指数)とは?気温だけじゃダメ?熱中症のリスクを判断する指標をわかりやすく解説
熱中症予防には「WBGT(暑さ指数)」を知ることが不可欠です。この記事では、「気温」との違いや、なぜWBGTが重要なのかをわかりやすく解説します。
- WBGTとは? 気温に加えて湿度や日差しも考慮し、体感的な暑さの負担を示す指標です。
- なぜ重要? 気温が低くても、湿度が高いと熱中症リスクは高まります。
- どう活用する? WBGTの数値に応じた行動目安を知ることで、日々の熱中症対策に役立てられます。
WBGT(暑さ指数)とは?
WBGTは「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の頭文字をとったもので、熱中症の危険度を判断するための国際的な指標です。「暑さ指数」とも呼ばれ、気温、湿度、日射、風速などを総合的に考慮して、人体が感じる暑さの負担を数値で示します。
なぜ気温だけではダメなの?
熱中症は、単に気温が高い日だけでなく、湿度が高くて汗が蒸発しにくい日や、日差しが強い日、風がない日にもリスクが高まります。WBGTが重要なのは、気温だけでは把握しきれない、**「人が実際に感じる体感的な暑さ」**を正確に評価できるからです。
WBGTを構成する3つの要素
WBGTは、以下の3つの要素を組み合わせて算出されます。
1. 湿度(湿球温度) 空気がどれくらい「ジメジメ」しているかを示します。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、体温が下がらず、熱中症のリスクが高まります。同じ気温でも「ムシッとした暑さ」を感じるのは、この湿度の影響が大きいからです。
2. 日射(黒球温度) 太陽からの直射日光や、地面・建物からの照り返しの強さを表します。日差しが強いほど、身体は熱を吸収しやすくなり、WBGTの数値が上がります。雲が少ない晴天の日や、アスファルトの上では特に注意が必要です。
3. 気温(乾球温度) 一般的な温度計で測る、空気そのものの温度です。ニュースや天気予報で発表される「今日の最高気温は35℃」がこれにあたります。
同じ32℃の日でも、日差しが強く、風がない日は「危険」レベルになりますが、曇りで風がある日は「警戒」レベルになることがあります。このように、WBGTは気温だけでなく、その日の状況によって熱中症リスクが大きく変わることを示しています。
WBGTはどんな時に活用されている?
WBGTは、熱中症予防のための様々な場面で活用されています。
- 熱中症警戒アラートの発令基準:WBGTが特定の基準を超えると、アラートが発令されます。
- 学校・部活動での運動判断:運動の原則中止や、活動時間の変更などを判断する基準になります。
- 屋外作業の安全管理:建設現場や工場などで、作業員の熱中症予防策を講じる際の目安となります。
- 高齢者施設や保育園での管理:室内の温度・湿度管理の指標として使われています。
WBGTの数値と行動の目安
環境省は、WBGTの数値に応じた「熱中症予防運動指針」を定めています。
WBGT(暑さ指数) | 危険レベル | 行動の目安 |
31℃以上 | 危険 | 運動は原則中止。高齢者は外出を控える。 |
28〜31℃未満 | 厳重警戒 | 激しい運動は避け、こまめに水分・休憩をとる。 |
25〜28℃未満 | 警戒 | 水分補給と休憩を積極的に行う。 |
21〜25℃未満 | 注意 | 適宜休憩と水分補給を行う。 |
21℃未満 | ほぼ安全 | 通常の活動で問題なし。ただし油断は禁物。 |
どこでWBGTを確認できる?
環境省の**「熱中症予防情報サイト」**や各自治体の防災サイト、またスマートフォンのアプリなどで、リアルタイムのWBGTを確認できます。
暑い日には「気温」だけでなく「WBGT」をチェックする習慣をつけることで、より効果的な熱中症予防につながります。す。
まとめ
- WBGTは熱中症のリスクを総合的に判断する指標
- 気温よりも”体感温度”を表している
- 数値に応じた行動指針を守ることで熱中症リスクを減らせる
- 暑い日には「気温」よりも「WBGT」の確認が大切!
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