親の認知症を早期発見する6つのサイン|離れて暮らす家族のためのチェックリスト

高齢女性が額に指を当てて考え込む様子。認知症の物忘れや判断力低下を示す「6つのサイン」を表現したイメージ。離れて暮らす親の認知症チェックや早期発見に役立つ記事用アイキャッチ。 未分類

離れて暮らす親の認知機能が衰えているか確認する方法

元介護士が教える、早期発見のためのチェックポイント


「いつもの母なのに…」と思っていませんか?

歳を重ねた親は、子どもに心配や迷惑をかけまいと、体調や不安を隠しがちです。

子どもの前では、まるで別人のようにしっかり振る舞うこともあります。

しかし、その健気な親心が、認知症や判断力の低下の兆候を見えにくくし、詐欺や事故といったリスクを高めてしまうのです。

家族と第三者の「認識のずれ」

自分と話しているときは、いつも通りの母なのに――
ヘルパーさんや看護師さんから「認知症の疑いがある」と言われた経験はありませんか?

その時、心のどこかで否定してしまう…。
気持ちは痛いほどわかります。


親には昔のようにしっかりしていてほしい。元気でいてほしい。



深層心理でそんな気持ちが働き、

第三者の言葉を受け入れる前に蓋をしてしまうことがあります。


離れて暮らしている場合の盲点

あなたの親は、あなたの前で無理をしていませんか?

離れて暮らす親は、子どもが思っている以上に認知機能が衰えていても、
心配をかけまいと一生懸命に頑張り、元気な姿を見せようとします。
そのため、介護士や医療者との間で“認識のずれ”が生じ、早めの対応を妨げてしまうことがあります。


離れて暮らす親の認知機能低下を見抜く4つのサイン

普段通りに会話できる親でも、生活の中に小さな変化が現れます。
特に以下の4つは、長年の介護経験からも見逃せないポイントです。

1. 冷蔵庫に賞味期限切れの食品が大量にある

以前は整頓されていた冷蔵庫が、いつの間にか食品でいっぱいになっていませんか?
賞味期限切れのものが増えるのは、食材の管理や整理の判断力が低下しているサインです。


2. 新聞や郵便物をため込む

新聞が溜まっていくのは、読む力や内容を理解する力の低下が始まっているサインかもしれません。
「後で読む・もったいないから捨てられない」という気持ちの裏には、実は“読めなくなっている”現実が隠れていることもあります。

また、郵便物がポストに溜まっている、あるいは部屋に山積みになっている場合も注意が必要です。
取り出すことはできても、内容を理解し処理する力が落ちていることがあります。
中には振込用紙など重要な書類が混ざっていることもあるため、一緒に確認してあげることが大切です。


3. 薬がたまっている

病院からもらう薬の量は変わらないのに、家に薬がどんどん溜まっていませんか?
これは飲み忘れが増えているサインです。
飲んだかどうかの記憶があいまいになり、服薬管理が難しくなっている可能性があります。


4. トイレや部屋が以前より汚れている

清潔に関する意識の低下や、掃除の手順そのものを忘れてしまうことで、
トイレや部屋の状態が以前より明らかに汚れてくることがあります。
これは生活全般の管理能力の低下を示す重要な兆候です。


5. 同じ服ばかり着ている

昨日何を着ていたか、いつ着替えたかがわからなくなっている可能性があります。
中には洗濯もせず、お風呂にも入らず、実は1か月同じ服だったというケースも珍しくありません。
高齢者の方は入浴していなくても、意外と体臭が強くないことがあります。
これは、あまり汗をかかないことや、加齢による皮脂分泌量の変化が関係していると考えられます。

6. 指摘すると怒る・機嫌が悪くなる

冷蔵庫の中や薬の飲み忘れ、部屋の様子などを指摘すると、怒ったり機嫌が悪くなることがあります。
服を着替えるよう促しても、強く拒否することもあります。
以前はこんなことで怒らなかったのに…という変化は、普段から強い不安を抱えているサインです。

人間の「怒り」は2次感情であり、その前には悲しみ・恐怖・不安・羞恥・喪失感といった1次感情が隠れています。
怒りは「防御反応」として出やすく、弱さや不安を他人に見せないための**“鎧”**になることがあります。

「薬を飲んだかな?」「どこに置いたかな?」「あれがない、これがない…」といった不安を日常的に感じ、
さらに自分でも「忘れている」ことを自覚している――
怒りの反応は、認知機能の低下を自分自身が薄々感じている証拠でもあります。

確認のコツ

生活空間を観察する
冷蔵庫の中、薬の飲み残し、新聞の溜まり具合、部屋の清潔さなど、日常の状態を確認します。

第三者の声を素直に聞く
ヘルパーや医療者、近所の人などからの指摘は、普段見えない姿を知る貴重な情報です。

小さな違和感をメモする
一度きりではなく、複数回起きているかが重要な判断材料になります。

反応を観察する
物忘れや生活の変化について軽く話題にし、その反応から不安や戸惑いがないか感じ取ります。

感情的にならない
家族間では難しいことですが、感情的になると本音が見えなくなります。冷静に接しましょう。

まとめ

  • 高齢の親は、子どもの前では元気に見せかけ、衰えを隠す
  • 離れて暮らすほど、第三者との「認識のずれ」が大きくなりやすい
  • 生活の中に現れる小さなサインを見逃さない
  • 気づいた段階で地域包括支援センターや医療機関に相談する

「うちの親は大丈夫」という思い込みが、一番のリスクです。
早期発見は、詐欺や事故から親を守る第一歩になります。

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