「え?うちだったの?」――夜中に目覚めた焦げ臭い匂い
これは、私が実際に体験した話です。1年ほど前のこと・・・
天ぷらをした後の使い終わった油、どう処理してますか?
わたしは大抵、猫のトイレシートに染み込ませて捨てています。もったいないので使用後のやつに。
なので油処理と猫のトイレ掃除はセットです🐾

しかしその日は、梅雨の時期で使い古したバスタオルが臭くなってしまい、ちょうど捨てるところでした。
「ちょうどいい!このタオルで吸わせればいいや」と思いつきました。
暖かい油を捨ててはダメ!
私はこれまで油を捨てるときは少し温めてから捨てていました。温めるといっても40度くらいに、その方が油切れが良くて捨てやすいのです。
その日もお風呂のお湯くらいの温度になった廃油を、バスタオルに染み込ませ、スーパーのビニール袋に入れ、しっかりと結んでキッチンのゴミ箱にポイッ。

そのまま何の疑いもなく、私は眠りにつきました。
異常な臭いで目が覚めた、深夜2時
夜中、なんとも言えない焦げ臭さで目が覚めました。
「なんだか目に染みる…」「もしかして火事…?」
慌ててマンションの管理事務所に電話をしてから、窓を開けて換気。家中をチェック。
そしてついに、キッチンのゴミ箱から一筋の煙を発見!

「うちやったんかーーーい!!」
とっさに水をかけて消火。
あとから確認すると、原因はやっぱり、油を染み込ませたバスタオルでした。
タオルは中心部分が真っ黒に焦げていて、ほんの少しでも遅れていたら火が出ていたかもしれない…と思うと、今でもゾッとします。
なぜ火が出るの?自然発火のメカニズム
私が体験したのは、「自然発火(自己発熱による発火)」と呼ばれる現象だそうです。
■ 自然発火とは?
発火する条件は主に3つ。
酸化反応+熱の蓄積+熱が外へ逃げない密閉環境
油などの有機物が空気中の酸素と反応(酸化)することでゆっくりと熱を発し、それが密閉された環境でこもり続けると、やがて発火点に達してしまう――これが自然発火のメカニズムです。
今回は、温めた油をタオルに染み込ませ、密閉して捨てたことで、熱がこもって自己発熱が進行。中心部から黒焦げになり、発火寸前まで進んでいたと考えられます。
特にふわふわしたタオルは繊維の間に空気を多く含むため酸化しやすく、熱もこもりやすい性質があります。
特に注意!ポリエステルや化繊素材は危険が倍増
私が使ったバスタオルはポリエステル混(約50%)のものでした。
このような化学繊維は引火性が高く、いったん火がつくと一気に燃え広がる可能性があります。
「捨てるから」「節約にもなるし」と思っても、油をしみこませて捨てるのは本当に危険だということを、身をもって知りました。
アロマオイル・油のついたキッチンペーパーも同じ危険がある!
意外かもしれませんが、油絵に使うオイルや、アロマオイルや植物オイル(ホホバ、オリーブなど)も同じ性質を持っています。
■ 注意すべき行動
- アロマオイルを染み込ませたコットンや布製品を放置する
- 精油をガーゼや衣類に染み込ませてゴミ箱にそのまま捨てる
- 使用済みのオイルマッサージ用タオルをまとめてビニール袋で密封して放置
これらは、熱がこもって酸化熱が蓄積→自然発火の危険があります。
特に夏場や直射日光が当たる場所、通気性の悪い場所は要注意です。
🔥自然発火を防ぐ!安全な処理方法【※絶対に乾いたまま捨てないで】
「使用済みの油」や「アロマオイル・植物油をしみ込ませた布類」は、水で十分に濡らしてから処理することが絶対条件です。
油分の酸化により自己発熱が進み、自然発火する可能性があります。
✅ 安全な処理方法(NITE推奨)
- たっぷりの水で湿らせる
油や精油を含んだタオル・キッチンペーパー・コットン類は、表面だけでなく内部まで十分に水を含ませましょう。 - 湿らせたまま袋に入れて、すぐにゴミへ
こぼれないよう袋の口をしっかり閉じ、できるだけ早めに可燃ごみとして処分してください。 - 乾燥は厳禁
乾いた状態で放置すると自然発火の危険があります。処分する直前まで、しっかり湿らせた状態を保つことが大切です。
🧼 アロマオイルや手作り洗剤にも注意を
- アロマオイルを染み込ませたコットンや布類は、乾いたまま放置すると自然発火の危険があります
- アロマのついた衣類を乾燥機にかけるのも非常に危険です。
- ホホバ油・オリーブ油などの植物油も、自己発熱性のある油類に分類されます
- 掃除やマッサージに使用した布類は、必ずたっぷりの水で湿らせたうえで処分してください
まとめ:自然発火を防ぐための鉄則
- 乾いたまま捨てない
- 水でしっかり湿らせて捨てる
たったひと手間で、自分や家族、住まいを守ることができます。
まとめ:ちょっとした処理が、大きなリスクになる前に
今回の体験で、私は身をもって知りました。
「もういらない布を使って処理する」ことが、火事のきっかけになるなんて。
正しい知識を持って、安心して使い続けることが大切です。
補足:手作り洗剤とアロマについても注意を
別記事でご紹介している手作り洗濯洗剤でも、
「アロマオイルを入れて香りづけしたい」という声を聞きます。
でも私は、発火リスクを避けるために入れていません。
ほんの少しの心がけで、自分も周囲も守ることができます。
どうかこの体験が、あなたの暮らしにも役立ちますように。
📝免責事項
本記事は筆者自身の体験と調査に基づき、安全な処理方法についての注意喚起を目的として記載しています。
掲載内容はあくまで一例であり、すべての状況で同様の結果を保証するものではありません。
「自然発火」や「油の自己発熱」は実際に報告されている現象ですが、素材や環境、温度などによってリスクの程度は異なります。
アロマオイルや植物油は“自然由来で安全”と思われがちですが、取り扱いや処分には十分な注意が必要です。
製品の取り扱いや廃棄に際しては、お住まいの自治体の分別ルールや処分方法を必ずご確認ください。
また、本記事の内容を参考にした結果生じた事故・損害等について、当サイトでは一切の責任を負いかねます。
ご不安な場合は、NITEや自治体の廃棄物担当窓口などの専門機関へご相談ください。
詳しくは 免責事項をご覧ください。
この記事を書いた人|ゑびす亭 編集室
ゑびす亭 編集室は、「やさしさと知恵で暮らしを整える」をテーマに、体験と実感をもとにした情報をお届けしています。
健康・美容・自然療法・暮らしの工夫・小さなセルフケアから、不思議な話や心に残るエッセイまで――
ひとりでも多くの人が「これ、ちょっとやってみようかな」と思えるような、実用性と物語のある記事を目指しています。
情報にふりまわされず、自分らしく選ぶための“よりどころ”として、そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
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